業界の動き/日本クリーニング新聞 本紙から 2012

ウェットの弱点を克服

ツー・エム化成が山本製作所とともに、ウェットクリーニングの仕上げの難しさや低生産性などの弱点を克服し、さらに需要開拓、新メニューを生み出す可能性を秘めた特殊洗剤、専用機を開発した。特殊洗剤ニンジャウェットは、縮み防止剤、スレ防止剤、色止め剤、洗剤を配合。すでに1万点以上の多様な衣料を洗って実績を積み上げている。一部仕上げが必要なものがあるが、簡単作業で済ませられて生産性に貢献。ウェットらしいふんわり感があり、ニオイは全くない、という。

*掲載号:2012年1月25日号/No.1629

 

リネン、売上2年連続マイナス

日本リネンサプライ協会の2011年正会員会社現況調査によると、1社平均の総売上高は前年比0.9%減と2年連続の減少、うち主力のリネンサプライ部門は2.6%減とこちらも2年連続のダウンとなった。外資などによるホテルの建設ラッシュも一巡、堅調だったリネン業界にも成長にブレーキがかかった。一方、病院寝具、ダイアパーはプラスを維持している。

*掲載号:2012年1月25日号/No.1629

 

総需要半減′サ実に−2011年速報

本紙では、2011年の1世帯当たりクリーニング代支出額、ホーム総需要額を算出した。全世帯の1世帯当たり支出額は前年比7.6%減、実数では599円減の7237円で19年連続の前年割れ。総需要額は同じく7.3%減、実数で307億円減の3875億円。ピークだった1992年(8170億円)の半分以下、47.4%まで縮小した。1店舗当たり売上高は2.1%減の307万2000円となった。(数値は2/25掲載の家計調査年計値により修正した)

*掲載号:2012年2月5日号/No.1630

 

岩手、復興支援工場が本格稼働へ

東日本大震災で店舗・工場や設備を失った被災事業者の自立・復興を支援するため、全ク連が進める「復興支援クリーニング工場」の第1号が岩手県大船渡市でオープンした。津波被害の大きかった同市と陸前高田市の4事業者が参加。機械設備は国の補助金を使い全ク連が無償貸与、この設備を交代で使って、それぞれが外交で集めた品物を自ら処理する。全ク連は「万が一同様の大規模災害が発生した際のモデルケースともなり得る」としており、また、かねてから提唱する「マシーン・リング」の初の実践例といえる。

*掲載号:2012年2月15日号/No.1631

 

エコドライ機減税が2年延長

来年度税制改正で、活性炭吸着回収装置内蔵型のパークドライ機、またはフロンドライ機(ソルカン機)の新増設に対して特別償却を認める特例措置エコドライクリーニング機減税≠フ適用期限が2年延長される。また固定資産税の課税標準を軽減する特例措置で、活性炭吸着回収装置内蔵パーク機に加え、ソルカン機も対象とし、2年延長される。4月1日実施。

*掲載号:2012年2月15日号/No.1631

 

白洋舎、下期回復力に光明

3/5 白洋舎の2011年12月期連結業績(2011年1月1日〜12月31日)は、売上高が前年同期比3.4%減の427億8000万円、営業利益は26.1%減の3億7400万円、経常利益は37.2%減の2億7800万円、当期純利益(最終損益)は5億1500万円の損失だった。最終赤字は2001年以来9年ぶり。大震災による消費自粛マインドがホームクリーニングを直撃、リネンサプライも首都圏の高級ホテルの外国人旅行客の激減などを招き、影響が出た。それでも、下期は日本経済も消費活動も弱含みだが緩やかに回復傾向が見られるのに加えて、経費削減も効いて収益は改善しており、次期は2億8000万円の最終黒字を見込んでいる。

*掲載号:2012年3月5日号/No.1633

 

洗剤、ホーム大幅減もリネンは維持

日本クリーニング用洗剤同業会の2011年出荷実績は、総合計は、前年比1.7%減の619トン減で3万6276トンに。ホームクリーニングで苦戦したが、リネンサプライヤー関係がほぼ前年を維持したことで若干の減となった。項目別では、ドライクリーニング用洗剤の合計は、前年比7.1%減の1482トン、一方、ランドリー用合成洗剤の粉末は、ホテルや病院リネンなどの健闘で前年並を維持した。

*掲載号:2012年3月15日号/No.1634

 

全協、新体制で山積する課題に臨む

全国クリーニング協議会は総会で、野田直樹新会長以下、若返った新体制に。新会長は需要拡大から外国人実習生問題と課題が山積の業界は、戦後と同じく、過去にない曲がり角にある中で大役を担うとの認識の上で、「実を得る活動、業界の利益になる活動を展開していきたい」とコメント。2012年度は、感謝キャンペーン、環境保全大会、外国人実習生問題で3年の実習実現へ活動する。また消費拡大準備委員会(仮称)を設立し、いま一度原点に立ち返って為すべきことを考える委員会として、将来を見据える機関を目指す。なお青年部は解散し、需要拡大・消費者対策の専門委員会に収斂した。

*掲載号:2012年3月25日号/No.1635

 

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建築基準法問題公聴会レポート

建築基準法の用途規制問題で、千葉県市原市で2月中旬に開催された公聴会をレポート。出席者は、申請者と提出図面の説明を行う建築士代表と1級建築士の2名(代理人)。立ち会いに、主宰者1名、聴聞者2名、事務局2名、ほか2名の計7名(いずれも市職員)。公聴者は、対象工場から半径50m内に居住する20世帯の住民。市役所が開催を通知した結果、男性3名、女性2名が参加した。

公聴会の開催宣言に始まり、聴聞委員や事務局、申請者の紹介と、主旨説明の手順が踏まれ、「本題の申請理由と是正措置のための計画内容の説明」は申請者本人と代理人が行った。所要時間は約1時間。質疑の全てが録音され、3月の建築審査会で資料提出された。その後、3月15日に「認定許可証」が届いた。役所の話ではこの時点で千葉での公聴会は初。全国でも4番目とのことだった。今回の申請にあたり、役所の申請手数料は18万円、建築図面など資料作成は38万5700円、騒音測定及び計算書類作成費は8万円、計64万5700円の費用がかかった。

*掲載号:2012年4月15日号/No.1637

 

特殊品マーケット拡大に期待

新チャレンジ、新戦略に挑む業者が増えているが、特殊品の技術獲得にも力が入る。消費者ニーズも、家庭洗濯ではできないプロの技術に期待する要因を高めている。皮革や毛皮、カーペット類、靴・バッグ、ふとん、これに保管も加わって市場は活気づく。さらに今年4月からは、中学校体育の武道必修化がスタート。剣道の防具、柔道着、相撲のまわしなどのメンテナンスの出番も出てきた。すでに取り組む事業者も出ている。プロ中のプロの技術はマーケット拡大、新市場創造のパワーを秘めている。ホールセールの活用も一つ。帽子、日傘などさまざまなアイテムを多数取り揃えている。

*掲載号:2012年5月5日号/No.1639

 

料金より汚れ、女性客意識調査

全ク連中央青年部会は2011年度クリーニングサービスに関する利用者調査「女性のお客様のクリーニングに対する意識」の報告書をまとめた。それによると「クリーニング店の何が≠烽チと良くなれば、利用する機会が増えるか」との設問に対し、「料金が安くなれば」「汚れがスッキリきれいになれば」が、それぞれ50%を超えて1位、2位となった。

*掲載号:2012年5月15日号/No.1640

 

全ク連、仮設工場一つでも多く

全ク連は、総会で今年度事業計画を決定。基本方針は、前年度の「復興支援・安全対策・需要拡大〜クリーニング業界の明日のために」を踏襲、この3点を柱に事業を推進・拡充する。復興支援では、前年度は岩手県の1カ所にとどまった仮設工場を一つでも多く開設することを目指す。安全対策では、現場レベルで安全・安心対策のリーダー的役割の人材を育成することを目的に「クリーニング安全対策指導員制度(仮称)」創設に向けて検討、対策を分かりやすくまとめた冊子(安全対策マニュアル)を作成する。

*掲載号:2012年6月5日号/No.1642

 

日本テキスタイルケア協会が創設

品質情報研究所の住連木まさし所長が、「一般社団法人日本テキスタイルケア協会(JTC)」の設立が認可されたと発表した。「繊維製品の製造、流通及び消費段階における素材、色彩、形態、風合いなどのデザイン品質の保全(テキスタイルケア)に関する専門技術の研究開発及び普及を支援することによって、国民衣生活の健全な発展に貢献する」のが目的。多様多種な衣料が流通する時代に、従来のクリーニングでは対応しきれない実態から、繊維製品のデザイン品質保全を意味する言葉、テキスタイルケアによる業態革新で、違いを明確にしつつ、業界の再生に向かう“業態改革ハイブリッド産業モデル構築”を目指す。

*掲載号:2012年6月5日号/No.1642

 

人気の女性用パーカーで色泣き

ロデオクラウン(バロックジャパンリミテッド)の女性用パーカーの色泣きトラブルが、ダイヤモンドクリーニング研究会東京の定例会でも報告された。今年3月16日に販売開始されたが、身ごろの生地(グレー)の染色堅牢度が悪く、洗濯すると染料が落ちて赤っぽくなるトラブルが発生。3月29日に販売停止となった。中国製、販売価格は税込7875円。取扱い絵表示は「ドライ不可、水洗い可」。

*掲載号:2012年6月15日号/No.1643

 

全機連・機械出荷、前年上回る

日本産業機械工業会・業務用洗濯機部会が2011年度全日本クリーニング機械連合会の出荷統計を発表した。それによると石油系ドライ機が281台(前年度256台)、洗濯脱水機が3337台(2686台)、乾燥機が2945台(同2682台)と前年を上回る数字が示された。一方で、出荷金額は前年比4.6%ダウンの17億円減。なお同会は、今期から部会長以下、新体制となった。

*掲載号:2012年6月25日号/No.1644

 

過炭酸の危険物指定、会員は非該当

消防法による過炭酸ナトリウム(過炭酸ソーダ、PC)の危険物指定問題で、日本クリーニング用洗剤同業会は、加盟13社が生産・販売する過炭酸ナトリウム含有製品(輸入を含む)について、すべて危険物に「非該当」という調査結果を明らかにした。

*掲載号:2012年6月25日号/No.1644

 

来年の新法人移行へ準備着々

日本リネンサプライ協会は総会で、新公益法人制度に基づく「一般社団法人」移行の認可申請に関して申請項目、定款変更案などを承認した。新法人は、8月に内閣府へ認可申請、11月の臨時総会で新役員を選任した上で、来年4月1日に設立する。

*掲載号:2012年6月25日号/No.1644

 

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全協キャンペーンに応募2万通超す

全国クリーニング協議会の「2012年クリーニング感謝キャンペーン抽選会」が実施され、総額100万円のJTBギフト券当選者100人が決定した。3月中旬から5月末まで展開された今年のキャンペーンに、集まった応募ハガキは2万2855通に達し、昨年の1万2919通を大きく上回った。非会員を含む59社が参加。

*掲載号:2012年7月5日号/No.1645

 

コイン店、ク店が銭湯上回る

厚生労働省が、2011年度「コインオペレーションクリーニング営業施設の衛生実態に関する調査」結果をまとめた。11年9月1日現在のコインランドリー店施設数は1万5985店、前回2009年調査から年率で1.8%増に。営業者の業種別にはクリーニングがほぼ2ケタの伸びを示し、ついに公衆浴場を上回った。

*掲載号:2012年7月25日号/No.1647

 

震災義援金、総額602万円

クリーンライフ協会が総会を開催、同協会が取りまとめた東日本大震災の被災者に対する義援金は、総額602万7589円(延べ59件)に上ったと報告された。また毎年9月に池袋サンシャインシティで開催している「クリーニングの日キャンペーン」は、今年で30回目となる。同じ日、日本クリーニング環境保全センターも総会を開催し、事業計画で「ポリ包装資材自主回収と再資源化事業」再開に向けて環境省との調整を進めるなどを決定した。

*掲載号:2012年7月25日号/No.1647

 

本紙予測、総需要4000億円台回復へ

6月の「家計調査報告(速報)」発表を受け、本紙は12年上半期(1〜6月)の1世帯当たりクリーニング代支出額を集計、併せて下半期及び年間の需要予測額を行った。それによると、全世帯(農林漁家世帯を除く二人以上の世帯)の上半期1世帯当たり支出額は前年同期比11・0%増の4270円、1世帯支出額に世帯数を掛け算した総需要額は11.9%増の2315億円と、どちらも2ケタ増となった。このまま例年のペースで推移するとの前提で予測値を算出すると、年間総需要額は、昨年割り込んだ4000億円台を回復、さらに一昨年の4182億円をしのぐ勢い、との予測となった。

*掲載号:2012年8月5日号/No.1648

 

店舗革新、従来店のイメージ裏切れ

苦闘が続く業界で、何かしら明るい兆しを見つけて売上を堅持し、着実に体質改善を果たしながら、次のステップに進む業者も少なくない。大阪のノムラクリーニングは、創業55周年記念企画でサンリオの人気キャラクター「ハローキティ」を広告宣伝に起用。自社マスコットキャラ「ペンちゃん」「ペン子ちゃん」とコラボレーションして企業イメージの一新を試みる展開を行っている。東京では、ロイヤルネットワーク茨城が現代の夜型傾向のライフスタイルに対応すべく、豊田自動織機の特許技術で携帯電話番号を鍵とするBOXシステムを用いた24時間対応クリーニング店「+プラス店」の東京1号店をオープンした。+プラス店は、関西、東海に続いて関東に本格進出。

*掲載号:2012年8月15日号/No.1649

 

白洋舎中間、一昨年業績に戻す

白洋舎が2012年12月期第2四半期の連結業績を発表。昨年は震災で全部門で直接被災、間接被害に遭い、特に東日本エリアで生産、消費の両面で大きな影響を受けたが、殆どの項目で復調を果たし、一昨年の業績対比において「回復傾向、戻した」としている。また来年4月着工で、渋谷の本社を大田区の東京支店・工場隣地770坪に移転、新本社を9億円投じて建設すると発表。子会社4社も移して本社管理部門と生産現場の一体化・機能集約強化を図る。

*掲載号:2012年8月15日号/No.1649

 

パート、5年で無期雇用に

パートや契約社員などが同じ職場で5年を超えて働いた場合、本人の希望に応じて無期限の「無期雇用」への転換を企業に義務付ける「改正労働契約法」が可決、成立した。労働基準法は1回に契約期間を原則3年以内と定めているが、何度も契約更新して同じ職場で働く労働者も多く、その雇用関係改善を図った。同時に、原則6カ月以上のクーリング(空白)期間があれば通算契約期間がリセットされる仕組みも導入、有期雇用と正社員など無期雇用との待遇格差の禁止も盛り込まれた。今改正はパートや契約社員の雇用の安定や待遇改善に繋げることが目的で、無期雇用になれば有給休暇取得などもしやすくなる。賃金や勤務時間など労働条件は、無期雇用の転換後も有期契約の時と原則同じとする。改正法は来年4月施行。施行直後に雇われた人の勤務期間が5年を超える2018年度から影響が現れる。

*掲載号:2012年8月15日号/No.1649

 

白洋舍が映画とコラボキャンペ

白洋舎が、今年も新市場拡大に映画とタイアップ展開。「GIRL」「スノーホワイト」「新しい靴を買わなくちゃ」とコラボレーションキャンペーンをした。キャンペーンは、クーポン提示で割引利用など各種。

*掲載号:2012年9月25日号/No.1653

 

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施設数、来年12万割れへ

厚生労働省が発表した12年3月31日現在のクリーニング所施設数は、総計で前年同期比3.2%減の12万2153施設。内訳は、一般施設が1.6%減の3万4767施設、取次所は4.7%減の8万7386施設。前年は震災の影響で宮城・福島両県の数字が一部含まれていないが、昨年に続く2番目の減少率。

*掲載号:2012年11月5日号/No.1657

 

50周年東京展、商談で賑わう

11月30日から12月2日、東京ビッグサイトで「クリーンライフビジョン21/2012東京国際クリーニング総合展示会」が開催された。節目の第50回大会とあって、来場登録者数は3日間で9775人と一昨年の東京大会を1300人余上回った。「予想をかなり上回った」「食事の時間もないほど」と商談の活況を伝えるブースも多く、活発な展示会となった。セミナーやイベントも例年より多彩に実施され、ほとんどが満席と真剣さ溢れる催しとなった。大会規模は、最終的に153社612小間となり、こちらも前回東京大会を上回った。

*掲載号:2012年12月5日号/No.1660

 

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ニックリ本紙から 2012

 

  • ウェットの弱点を克服(1月25日号)
  • リネン、売上2年連続マイナス(1月25日号)
  • 総需要半減′サ実に−2011年速報(2月5日号)
  • 岩手、復興支援工場が本格稼働へ(2月15日号)
  • エコドライ機減税が2年延長(2月15日号)
  • 白洋舎、下期回復力に光明(3月5日号)
  • 洗剤、ホーム大幅減もリネンは維持(3月15日号)
  • 全協、新体制で山積する課題に臨む(3月25日号)

 

  • 建築基準法問題公聴会レポート(4月15日号)
  • 特殊品マーケット拡大に期待(5月5日号)
  • 料金より汚れ、女性客意識調査(5月15日号)
  • 全ク連、仮設工場一つでも多く(6月5日号)
  • 日本テキスタイルケア協会が創設(6月5日号)
  • 人気の女性用パーカーで色泣き(6月15日号)
  • 全機連・機械出荷、前年上回る(6月25日号)
  • 過炭酸の危険物指定、会員は非該当(6月25日号)
  • 来年の新法人移行へ準備着々(6月25日号)

 

  • 全協キャンペーンに応募2万通超す(7月5日号)
  • コイン店、ク店が銭湯上回る(7月25日号)
  • 震災義援金、総額602万円(7月25日号)
  • 本紙予測、総需要4000億円台回復へ(8月5日号)
  • 店舗革新、従来店のイメージ裏切れ(8月15日号)
  • 白洋舎中間、一昨年業績に戻す(8月15日号)
  • パート、5年で無期雇用に(8月15日号)
  • 白洋舍が映画とコラボキャンペ(9月25日号)

 

  • 施設数、来年12万割れへ(11月5日号)
  • 50周年東京展、商談で賑わう(12月5日号)