業界の動き/日本クリーニング新聞 本紙から 2009
2009クリーニング業界〈課題〉番付 山積する問題 克服の年へ
よく「ピンチをチャンスに代える」と言い、それを叶えた事例があちこちに取り上げられるが、それが本当に可能かと思わせる出口のない不況の年が始まった。アメリカを震源地とした金融危機はそれまで埋蔵していた諸問題を一気に掘り出し、負の連鎖が止まない。不況に強い(景況に左右されない)実体経済の一角にあるクリーニングだが、この底なしはさすがに身が竦む。しかし恐れていては何も始まらぬ。生活必需産業たる大いなる気概と家庭で出来ない技量を前面に出し、全力で2009年を進むしかない。やるべきことは山積している。停滞は淘汰あるのみ。粘り強く不況への強さを見せつける!
*掲載号:2009年1月5日号/No.1519
不景気風を吹き飛ばせ! 全協、キャンぺーンの景品倍増
全国クリーニング協議会(大野雅司会長)が、1999年以来毎年続けている消費者向けの「2009年クリーニング感謝キャンペーン」を今春も実施する。同会は今年創立40周年を迎える年でもあり、その記念企画も込めて景品総額を倍増。巷を席巻する不景気風を一気に吹き飛ばして、クリーニング需要発掘への手掛かりとすべく、会員のみならず全国の多くの業者に呼び掛ける。
*掲載号:2009年1月15日号/No.1520
駐車場にコンテナ店舗 インショップ避け、低コスト・移動自在
1992年のピーク以降長期の需要下落で、当然ながら業界の店舗展開は変化を強いられた。取次店拡大から直営店化。コンビニ取次導入、外交から宅配への形態変化などだが、一方で、地方で目立ったのは大型集客施設(SC)へのインショップ展開だった。流通の勝ち組みに乗る戦略だったが、昨今商況の後退で店舗閉鎖や不振店撤退が目立ってきた。もちろん好調なインショップもあるが、評価が不透明になってきた。それに対しインショップは回避するが集客施設の力は利用したい向きに駐車場利用『コンテナ型取次店』を薦めるのは共信(名古屋市、伊藤正敏社長)である。
*掲載号:2009年1月25日号/No.1521
総需要16年ぶり増加 1.1%アップの4646億円に
ホームクリーニングの総需要額が16年に前年比プラスとなった。総務省統計局はこのほど2008年12月の家計調査の結果(速報)を発表、それを受け本紙では08年1年間の1世帯当たりクリーニング代支出額及び総需要額を算出した。それによると08年の1世帯当たりクリーニング代支出額は8880円で、前年比0.1%減、実数では10円の減少となった。10月までは前年を上回っていたが、11月の減少で前年割れ、12月も伸び悩み、あと一歩、前年支出額に届かなかった。総需要額は、世帯数の増加率が支出額の減少率を上回り、前年比1.1%、約49億円増の4646億円となった。しかし09年は「100年に一度」といわれる金融危機の影響が、実体経済、消費生活に広く顕在化することは必至。需要の底割れが懸念される。
*掲載号:2009年2月5日号/No.1522
靴・鞄メンテ市場伸長 風合い・仕上げで感動呼ぶ
需要が落ち込むなか、「良いものを大切に長く使いたい」とする消費者が増え、特に靴やバッグメンテナンス市場が伸びている。近年の消費生活の向上で都市や地方の区別なく、どこの家庭にも高級品、ブランド品があり、団塊の世代のリタイアで背広、Yシャツ需要が減る傾向に対応するため、靴や鞄のクリーニングに挑む業者が増えている。ところが、知識や技術不足で苦戦するケースがかなり多い。それ対してワイズプラント(東京都足立区)は専用の資材や機械を開発。的確な知識や技術指導がベースの〈革ケアシステム〉を完成、全国で導入が増えている。
*掲載号:2009年2月15日号/No.1523
高級品は手入れが大変 首都圏民のファッション動向
クリーニング需要の低迷原因はいろいろあるが、何といっても消費者のニーズと業界の考えのスレ違いが挙げられる。業者側は依然「綺麗に洗って仕上げる」を第一義とするのに対し、お客の側はプロだから綺麗に洗って仕上げるのは当然、加えて〈見栄え〉や〈風合い〉を重視する。特に高額ブランド品では重要度を増す。このミスマッチが低迷を加速するわけだが、では業界が本格的に〈ニーズ調査〉をしているかというと、ほとんどデータはない。殊にブランド品に関して乏しいのが実態だ。そんな中、中小企業基盤整備機構が「ファッション等に関する消費者Web調査レポート」を発表している。首都圏限定だが、行動実態や意識分析は大いに参考になる。
*掲載号:2009年2月25日号/No.1524
6割が前年より「悪化」と回答 本紙業界景況アンケート
経済危機の波が業界にもかなりの影響を及ぼしている。このほど、「業界の景況」について全国のクリーニング事業者にアンケート調査したところ、122社より不況に対する辛辣な回答が寄せられた。「前年と比較した2008年10月から09年1月の感触」については6割が「悪化した」と回答。底割れした1月のクリーニング代支出を裏付ける惨澹たる状況だった。時は繁忙期直前、もはや攻めしか無いのだが、展望については「良くて前年並」「不況の本番はこれから」との悲観的な意見が並んだ。
*掲載号:2009年3月5日号/No.1525
夏からアドバイザー通信教育 受付業務を革新・底上げへ
〈お客様対応にこそ新たな付加価値がある〉とのビジョンでカウンター業務の革新「クリーニング・アドバイザー(TeMA-CA)資格制度」を進めている繊維商品めんてなんす研究会(TeMA、加藤英雄会長)が、さらにステップアップする取り組みに挑む。3月11日に開催した総会で、CA資格の底辺拡大と業界の受付体制底上げのため通信教育システム《クリーニング・アシスタント・アドバイザー(TeMA-CAA)》を新設し今夏から開始することを決定。また、来年からCA試験を地方でも受けられるシステムを構築する。
*掲載号:2009年3月15日号/No.1526
地域の安全担う業者になろう ポリエステル防炎加工の講習会
日本クリーナーズ防炎協会(山田庄助理事長)は、2月末リヴァイヴ仙台本社工場(鎌田厚司社長)で「防炎加工技術講習会」を開催した。目下準会員を交え130社の会員中26社がポリエステル加工資格を取り、9万枚に達する防炎ラベル発行枚数のうち約50%をポリエステルラベルが占めて二次加工需要が伸びていることを背景に、正しい防炎加工や品質管理の技術講習を行った。《防炎加工》は、2005年のポリエステル100%製品二次加工再認可を機に市場が拡大。インテリア業界ほか普及に弾みがついている。
*掲載号:2009年3月25日号/No.1527
「廃業」一転、話題の人気店に 靴・鞄メンテが変革の起爆剤
廃業まで考えた店が一転、新メニューをきっかけに話題店へと生まれ変わった。起爆剤となったのが「皮革メンテナンス」。新潟・糸魚川市のニューピース(園田勝社長)は、クリーニング需要の減少に危機感を感じ、他にないものをと靴・バッグのクリーニング&リペアに着手。「M's革工房」を立ち上げたところ、地元紙が1面で取り上げるなど一躍人気店となった。反響を受けて、クリーニングも顧客の期待を裏切らない品質を提供しなければと工場の大改革まで敢行。皮革メンテが、地域一番店を目指す〈衣類のブランドケア企業〉への原動力まで引き起こした。
*掲載号:2009年4月5日号/No.1528
きれいになるまで〈新液〉洗い 「デジセン」1号機稼動工場見学
オフィス毛利(神戸市、毛利春雄代表)とジャヴス=JVS(大阪市大正区)は、将来のドライクリーニングの新しい洗い「デジセン」(ソルカンでできる最高のドライクリーニング)を追求してきたが、昨年9月鹿児島の第一ドライ(中嶋健一郎社長)新栄工場に第1号機を導入。3月18日期待通りのデータが揃ったと毛利春雄セミナーグループや同氏主宰のTCCメンバーらが見学会を開催。中嶋社長は「デジセンは、汚れを数値で把握し、常時新液で洗う画期的な洗い。電気、燃料、水使用など大幅コスト削減ができ、必ず綺麗に洗えているとの自信が持てる」と語った。
*掲載号:2009年4月15日号/No.1529
4月、不振挽回も先に「不安あり」 繁忙期速報/九州〜近畿編
恒例、繁忙期速報。今号は西日本編として、九州から関西までのクリーニング店に繁忙期の状況を聞いた。シーズン突入と素直に喜びたいところだが、全国各地これまで1月2月は良くてトントン、3月は2割3割減と絶不調の景況下。善し悪しはあるが、週末に好天が続いた4月になってようやく動きだした。繁忙期前には「今年は3月末から出る」などと言われていたが、そんな予想はどこへやら、今年は一気に4月集中型の勢いだ。各社、前半戦の不振を取り戻そうと後半戦へ向けて意気込みは凄い。
*掲載号:2009年4月25日号/No.1530
日本の「クリーニング」に好評価 アメリカと品質・価格を比較
日本のサービス産業のイノベーションや生産性向上を促す母体を担うサービス産業生産性協議会(牛尾治朗代表幹事、社会経済生産性協議会内)が、代表的20種類のサービスを対象に〈品質・価格〉で日米のどちらが、どの程度高いと感じているか、定量的評価を求める「同一サービス分野における品質水準の違いに関する日本とアメリカの比較調査」という過去に類例のない結果をまとめた。クリーニング業も比較され、日本の仕事ぶりは「重要度に沿ったサービスが提供されている」と高評価だった。
*掲載号:2009年5月5日号/No.1531
適者生存の戦略とは! 第2回テーマ展開催へ
かつて経験したことのない規模の経済不安、景況悪化で消費者マインドは[節約モード]から[不景気モード]へ。消費の落ち込みは「不況に強かった」業界にも容赦なく襲っています。業の存続さえ危ない! クリーニング業そのものが問われている、といって過言でありません。もう縮こまってやり過ごせるレベルではなく、何もしないということは淘汰の道しかありません。正に適者生存、全力で〈生き残り〉に向けて工場・店舗・業務・経営の総点検を行い、再構築・業態革新に繋げ、消費者ニーズに立ち向かって信頼を取り戻すしか道はありません。昨年「日本クリーニング新聞」「クリーニング流通新聞」「クリーニング情報ネットワーク協議会」は、業界活性化と市場開拓、付加価値提案のニュー・イベント「クリーニング〈テーマ展示会〉」を立ち上げ、「環境対応とクリーニング経営」のテーマで開催、広い支持を得ることができました。そして今年も、8月5日(水)6日(木)前記した危機状況を踏まえ東京・大田区産業プラザで〈第1回クリーニング・テーマ 展示会〉開催を企画しました。
*掲載号:2009年5月15日号/No.1532
世界基準の品質競争力 新日本ウエックスのRAL監査に同行
世界水準でISOよりはるかに厳格なものにドイツが制定する〈RAL〉基準がある。品質を図るのに“絶対的数値”を当て、それを第三者機関が監査する仕組みで、いわば《一流の証明》として同国ではRAL取得が取引条件となり、、EU圏となって産業がグローバル化した現在、フランスやオランダなど10カ国に拡大中だ。日本でもRAL基準に挑む企業が出現し、目下取得企業は7社12工場となった。RALは年1度、独ホーヘンシュタイン研究所の観察を受けるが、日本のリネン業で最初にRALを取得した新日本ウエックス(名古屋市、廣瀬武社長)の監査に同行した。
*掲載号:2009年5月25日号/No.1533
三菱撤退、アイナックス・稲本に譲渡
09年6月クリーニング業界に最大級の激震が起きた。ホームクリーニングにもリネンサプライにも多くの機器を提供してきた機械メーカーの雄・三菱重工産業機器株式会社(本社名古屋市中村区岩塚、吉山嘉久社長)が「業務用洗濯機事業から撤退」すると発表した。6月2日吉山社長自ら本紙編集部を訪れ、「三菱としての決断で業務用洗濯機事業から撤退することになった。これまで40年の歴史を重ね、業界の各人各社各分野で筆舌に尽くし難いお世話になってきたが、総合的判断が下された。どうかご了承戴きたい」と語った。主要製品の事業譲渡、納入製品の大半のアフターサービスは住商アイナックスと稲本製作所に引き継がれることになる。基本合意に達したが、まだ協議中の問題や中国とのジョイントベンチャー問題などが残っているが、遺漏ない事業譲渡と継承を進めていきたいとした。
*掲載号:2009年6月5日号/No.1534
めんて研、アドバイザーを全国へ 資格制度の推進協賛団体〈コミッティ〉設立
〈お客様対応にこそ新しい付加価値がある〉とのビジョンで繊維商品めんてなんす研究会(TeMA=テマ、加藤英雄会長)が推進しているカウンター業務の革新「クリーニングアドバイザー(TeMA-CA)資格制度」が、今年で4年目を迎える。9月9日第1次筆記試験、その合格者の第2次ロールプレーイング試験を11月11日に行って合否を決めるが、既に3回の実施で総勢80名のCA合格者を生み、各店舗で活躍するとともに旺盛な活動を行っている。この人材育成システムを評価して全国から「何とか地方でも受講できないか」の声が高まっていたが、このたび制度推進体制の〈TeMA-CAコミッティ〉が設立され、協賛団体の募集が始まった。
*掲載号:2009年6月15日号/No.1535
大阪めんて研が〈基礎科〉立ち上げ TeMA-CAコミッティへ第1号の名乗り
関西でクレーム対応を中心に繊維製品の素材や染色、縫製から販売まで地道に勉強し、活動してきた大阪繊維商品めんてなんす研究会(事務局東大阪市)が、繊維とクリーニングの基礎知識、接客法を1年間継続して学ぶ『基礎科』を立ち上げ、6月17日道頓堀ホテルで発足式を行い、8月の開講式へ向けての募集を開始した。それに伴う大幅な組織変更と担当役員制構築で団体の力を強化したとの報告と共に、さきごろ協賛募集を発表した東京の繊維商品めんてなんす研究会〈クリーニングアドバイザー資格制度〉を推進するTeMA-CAコミッティへ第1号の名乗りをあげた。
*掲載号:2009年6月25日号/No.1536
いま、クリーニングが危ない! テーマ展示会 8月5日開幕
不況のあおりと政治の混乱で消費者マインドが落ち込み、業界も東ポリ破産や三菱撤退など懸案課題が一気に噴出しているが、メゲてなどいられない。危機や不安を直視し、反転攻勢に転じなければならない。8月5日(水)〜6日(木)東京・大田区産業プラザで「第2回テーマ展」が開催される。テーマは〈適者生存〉――経営資産・人的資産を点検し、逃げず恐れず戦う業者・企業しか生き残れない時代である。元気が出る新製品やシステム、提案が出展され、シンポジウム&セミナーで語られる。将来へのヒント、アドバイスがここにある!
*掲載号:2009年7月5日号/No.1537
〈第2回テーマ展示会特集〉32社62小間の出展決定
個人消費は停滞したまま、浮上の兆しがない景況、そして政治の混乱。先が見えない時こそ、工場も店舗も、経営も根本から見直す良い機会にしたい――8月5日(水)〜6日(木)東京・大田区産業プラザで「第2回テーマ展示会」が開催される。キャッチタイトルは《いま、クリーニングが危ない!》、今年は早々から大手資材メーカー破綻、総合機器メーカー撤退と今後の業界再編を迫る“事件”が相次いでいる。現況の問題把握と課題の整理、将来展望をこの催しで見つけ出す。テーマは〈適者生存〉、生き残りへ、元気を引き出す起爆剤となる新製品やシステム、提案が揃い、シンポジウム&セミナーで語られる。
*掲載号:2009年7月15日号/No.1538
武蔵野ク商会、9年で2.5倍に成長 生産性協議会が見学
日本クリーニング生産性協議会(五十嵐信保理事長)は、「第29回経営研究会」を東京シリーズとして7月15日・16日練馬区の武蔵野クリーニング商会(松本賢一社長)の本社や工場、店舗を見学、松本社長の講演を聞いた。同社の商圏の東京都西部及び埼玉県南部は人口増を背景に首都圏でも有数の激戦区で、都の業者との競争だけでなく地方の有力業者も多数進出、安売り攻撃や頻繁にM&Aがある。活気があるのは良いが気を緩めると一気にツブされかねないシビアな地域で、2000年の社長就任以来9年間で売上を2.5倍へと押し上げた経営手法に注目が集まった。
*掲載号:2009年7月25日号/No.1539
業界縮小また一段 上半期支出額7.6%減、年間需要4308億円に
総務省統計局は7月31日、6月の「家計調査報告(速報)」を発表、それを受け本紙では上半期の1世帯当たりクリーニング代支出額を集計、併せて下半期の予測を行った。それによると全世帯(農林漁家世帯を除く二人以上の世帯)の1〜6月のクリーニング代支出額は前年同期比7.6%減、実数では374円減少して4515円となった。05年の7.8%減以来の落ち込み。上半期の総需要額は前年同期比6.6%減の2390億円。このまま例年通り推移すると年間支出額は8.4%減の8136円、年間総需要は7.3%減の4308億円まで落ち込むことが予想される。
*掲載号:2009年8月5日号/No.1540
中身充実のシンポ・講座賑う テーマ展速報、全国から大手・中堅が集結
09年上半期クリーニング代支出は前年比7.6%のダウン、最悪期は脱したと言うが浮上気配がない景況、業界を代表するメーカーの相次ぐ撤退、大手業者の石油系溶剤用途違反で一般マスコミから厳しい目が注ぐなど、一気にマイナス要因が揃った中、8月5日と6日の2日間東京・大田区産業プラザで「第2回テーマ展示会」が開催された。キャッチタイトルは《いま、クリーニングがあぶない!》――正に時宜を得たテーマで出展者、参加者とも[危機意識]を共有、シンポジウムにコラボ企画、機器機能提示やシステム提案に呼応、充実した催しとなった。
*掲載号:2009年8月15日号/No.1541
「やっぱりプロね」の価値を テーマ展示会・講演レポート@
上半期クリーニング代支出が前年比7.6%のダウン、7月業績はさらに不振という厳しい中、8月上旬東京・大田区産業プラザで《いま、クリーニングが危ない!》のタイトルで「第2回テーマ展」が開催された。サブテーマが〈適者生存〉で、基調講演や緊急シンポジウムで真剣な講義・討議がなされた。中でも本紙好評連載を続ける毛利春雄講師の「あなたのクリーニングはお客様を満足させていますか?」講演は閉塞感溢れる現況の捉え直し・考え直しを促し、新しい発想で生き抜こうと鼓舞するものとなった。
*掲載号:2009年8月25日号/No.1542
10月1日は「ビジネスマン衣替えの日」 流通・アパレル共同企画、全ク連もコラボ
このところクリーニング業界も含めて衣料関連業界の業績不振が際立っているが、何とか苦境を脱しようと日本アパレル産業協会紳士部会と日本百貨店協会メンズ部会が共同企画として「10月1日を〈ビジネスマン衣替えの日〉に設定、定着を目指す」キャンペーンを始める。業種を超えた多様な企業のコラボレーションを展開しながら商品の買い替え=ワードローブの一新を促し、消費意欲を引き出す“国民運動”にする狙いだが、全ク連もコラボの一員として店頭ポスターの共通ロゴ掲載で加わっている。
*掲載号:2009年9月5日号/No.1543
イノベーションで活路拓く 東静電気、ホームへ積極攻勢
日本全体を覆う経済不況と、より先鋭化する業界の構造不況、暗い話題に終始した上半期を抜け、何とか活路を拓こうと次々に秋の個展のスケジュールが発表されている。その先陣を切って東静電気が9月9日、伊豆の国市の本社工場で「新製品発表会」を開催した。同社も「これほどの規模は初」というレベルとなって、北海道から沖縄の代理店90社余が集まった。そして停滞に喝を入れるべく新製品が並べられた。
*掲載号:2009年9月15日号/No.1544
記念の50回目を日中共同主催 IDC北京大会、10数カ国から130人が集結
クリーニング業界唯一の世界的国際会議、IDC(国際クリーニング会議)が9月7〜10日、北京の中国人民対外友好協会大講堂で開催された。年に1度のIDC大会は1959年に東京を第1回にスタートしたが、記念の50回大会は日本と中国の共同主催という半世紀の歴史の流れを明確に現すものとなった。世界不況ただ中の大会だったが、10数カ国から約130人が集結。日本からはIDCの公式スポンサー・日本クリーニング生産協議会のメンバーが約50名と大人数参加となった。『北京宣言』が発せられるなか〈交流・提携・共栄・発展〉の大会テーマのもとグローバルな不況下で今後の方向や課題について熱心な討議が行われた。
*掲載号:2009年9月25日号/No.1545
大阪展62社261小間 目玉に全来場者対象の「抽選会」
11月13日(金)から15日(土)の3日間、インテックス大阪で開催される「クリーンライフビジョン21―2009大阪国際クリーニング総合展示会」の大会規模・概要が発表された。今年は恒例の出展者説明会もなく、日程やテーマの概要発表にとどまっていたが、ようやく明らかになった。9月末日時点での総出展企業・小間数は、主催者分を加えて62社261小間(2007年大阪展は76社386小間)、展示会場はこれまでの2館の使用から5号館1館のみでの開催規模となった。
*掲載号:2009年10月5日号/No.1546
非価格要因がキーワードに 本当のクリーニング危機はこれから/毛利セミナー
業界のトレンドに迎合せず、真っ向から業の課題に取り組むオフィス毛利主催「毛利春雄セミナー」が10月6日、神戸六甲のホテルプラザ神戸で開催された。今年は記念の第10回目でその祝賀も行われた。この10年、業界を取り巻く環境はより厳しさを増し、構造的破綻が顕在化している。さらに昨年来の世界不況が直撃、デフレ傾向下で安売り合戦が広がっているが、セミナーではこういう時こそ危機の実態を問い、市場を知り、自身の展開を再考し、地に足のついた方針=サービスを実行していく、その思考改革を促し、提案するものとなった。
*掲載号:2009年10月15日号/No.1547
大阪展いよいよ開幕へ 各団体セミナーの概要など発表
11月13日(金)〜15日(土)の3日間、インテックス大阪5号館で開催される「CLV21―09大阪国際クリーニング総合展」は、主催者分を加え62社261小間(10月26日現在)規模と発表になっているが、会場内で各団体が催すセミナーの時間・内容が明らかになった。CLV21は、機械・資材・システム等の展示や実演とともに、問題意識の高いセミナーも重要な役を果たしている。構造的問題が山積し、需要減や不況対策に苦しみ、将来像を求めて混迷する業界であるからこそ、こうした真摯な問題提起、アピールにも足を向けたい。
*掲載号:2009年10月25日号/No.1548
取次所10万を割る 一般施設は過去最大3.7%ダウン、施設数13万6751に
厚生労働省はこのほど2008年度(2009年3月末現在)のクリーニング所施設数をまとめた。それによるとクリーニング所施設数は前年同期比2.9%減の13万6751施設となり、14万を大幅に割り込んだ。そのうち一般施設は過去最大の減少率3.7%減を記録、一方取次所も大きく減少して21年ぶりに10万の大台を下回った。需要の低迷が続く中、整理・淘汰が一層進んでいる。
*掲載号:2009年11月5日号/No.1549
接客スキルさらに向上を TeMA-CAロールプレイング試験に53人挑戦
「接客スキルの向上で店舗活性化と需要喚起を図り、お客様の信頼を取り戻す試み」を続ける繊維商品めんてなんす研究会(TeMA)の〈第4回クリーニングアドバイザー=TeMA-CA資格制度〉試験の第2関門=ロールプレイング試験が、11月11日東京・飯田橋のクリーニングセンターで開催された。9月の第1次筆記合格者と再挑戦の計53名が持ち時間4分間で接客マナー、接客スキルと検品力、提案力などを測る審査に挑んだ。またこの試みを全国に普及しようとTeMA-CAコミッティが設立され、来年から大阪、九州で試験が行われることになったが、運営や審査眼確保などで両地区の代表も参加、周到な準備が進められた。
*掲載号:2009年11月15日号/No.1550
危機管理力で企業刷新 ドリームフォー21、ロイヤルネット仙台見学
有力業者・メーカー・機資材商の勉強会「新ドリームフォー21」は11月18、19日、仙台で「11月勉強会」を開催。訪問先は同会事務局のロイヤルネットワーク(本社山形県酒田市、仲條啓三代表)の2工場3店舗。同社は7月、石油系溶剤使用に係る建築基準法違反で相当数の施設が行政指導を受けたが、早急に溶剤設備入れ替えや工場移転を進め、そのうち仙台エリアでソルカンやパークに入れ替え、店舗改善したところを訪問。是正内容と現行法制度下での設備と運営の方向を検証し、学ぶ内容となった。
*掲載号:2009年11月25日号/No.1551
ガイドライン作成へ参画 全協、安心して商売できる“環境”作りへ
全国クリーニング協議会は11月20日、東京で「第18回環境保全全国大会」を開催した。テーマは「待ったなし!環境対策とコンプライアンス」で、土壌汚染対策法、省エネ法が改正され来年度施行となるのを受け、改正ポイントや対応策を講演。また溶剤と建築基準法の問題がこの夏急浮上する中で、改めてコンプライアンスを考えん直し、それを踏まえて産機工や機材商組合とともに「安心して営業できる経営状況を構築していくガイドラインを作成、関係機関に働きかける活動を展開」することを明らかにした。
*掲載号:2009年12月5日号/No.1552
CA資格試験を大阪・福岡で TeMA来年度計画、各科内容も大幅革新
繊維商品めんてなんす研究会(TeMA)は、12月8日「平成22年度事業計画及び会員の継続と基礎科生募集開始」を発表した。来年は注目されている受付革新の切り札=クリーニングアドバイザー(TeMA-CA)資格制度の受験がTeMAコミッティの設立で大阪、福岡でも可能となり、CA資格の底辺拡大を目指すクリーニングアシスタントアドバイザー(TeMA-CAA)通信講座も3月スタートする重要な年。「一層気を引き締める」(加藤会長)なか、各科授業内容も大胆見直しで革新するメモリアルな年となる。
*掲載号:2009年12月15日号/No.1553
規制クリアし次世代へ アイナックス&山本製作所、環境対応溶剤ドライ機を発表
世界金融不安の影響と近年にない不況を抱えての2009年、主要メーカーの東ポリ破綻、三菱重工産業機器の事業撤退に加え、市場規模が4300億円割れ必至かという強烈な需要不振、市場縮小と元気が出るニュースがまるでなかったホーム業界。それに対して師走は12月10日〜12日の3日間、大手機械メーカーの山本製作所広島県尾道市)、住商アイナックス(東京都品川区)の共催で、「環境対応溶剤ソルカン、ベクセルクリン・ドライクリーナ・ラインナップ発表会」が開催されああた。会場となった山本本社工場には、全国から多くの販売店、洗剤メーカーら関係者が集まり、何とか「ホームの低迷を脱して明るさの見える2010年にしたい」との願望溢れるイベントとなった。
*掲載号:2009年12月25日号/No.1554