業界の動き/日本クリーニング新聞 本紙から 2011
建基法問題、特定行政庁に具体行動促す
建築基準法違反問題で国交省は12月28日、全ク連、全協の2団体を呼び出し情報交換を行った。全協の環境保全大会や東京展でのモデルショップ、「例外許可より法改正を」の動きの真意、今後の業界の協力体制等について話した。当日夕方には自治体建築行政主務部長宛に、年内の業界団体や営業指導センターとの折衝状況、今後の予定などをまとめ、年明け1月21日までに報告するよう要請した。
*掲載号:2011年1月15日号/No.1592
クリーニング支出8000円を大きく割る
1世帯当たりクリーニング代支出額がついに8000円を割り込み、7800円台にまで落ち込んだ。全世帯平均の支出額は、前年比3.5%減の7835円で、18年連続の前年割れ。勤労者世帯は、わずか0.3%増とはいえ2002年以来8年ぶりに増加し8843円となった。ホーム総需要額は2.6%減の4180億9755万円で、4000億円台を死守。
*掲載号:2011年2月5日号/No.1594
ロイヤルネット、3年後100億円へ
ロイヤルネットワークは2月16日、鶴岡市で2011年度経営方針発表会及び決起大会を開催した。2010年度の決算見通しは、昨年末示した数字を超えて売上81億円強(前年比4.7%増)、経常利益は8億7000万円に上方修正。またすでに明らかにしていた東京23区進出の具体案も発表、3年後の2013年度には売上高100億円、経常利益11億円に至る道筋を掲げた。
*掲載号:2011年2月25日号/No.1596
白洋舎、天候不順たたり減収減益
白洋舎の2010年12月期業績は、春と秋の衣替えシーズンに記録的な天候不順に見舞われたこと等により、ホームを中心に伸び悩み、減収減益となった。特に4月の不振により繁忙期シフトの人件費がかさみ、利益を圧迫。連結売上高は前期比3.3%減の442億7000万円、経常利益は53.3%減の4億4400万円。セグメント別売上高は、ホーム中心のクリーニング事業が3.6%減、リネンサプライなどレンタル事業が1.3%減。
*掲載号:2011年2月25日号/No.1596
東日本大震災、巨大津波と原発事故も
3月11日午後2時46分、東北・三陸沖を震源とした国内観測史上最大の巨大地震が発生、10メートルにもなる津波が太平洋沿岸の各所を襲った。被害は岩手、宮城、福島を中心に東日本の広域に及び、数多くの死者や行方不明、負傷者を出している。特に岩手県大船渡市や宮城県女川市、福島県相馬市地域は集落ごと津波に流され、人も工場も店もインフラごと根こそぎ沖に持っていかれ、壊滅状態に。一方で、福島では東京電力福島第一原子力発電所で爆発し損傷、放射能汚染が懸念される事態が発生し、最悪の状況が連鎖している。
*掲載号:2011年3月15日号/No.1598
洗剤出荷、ランドリー健闘も回復未だし
日本クリーニング用洗剤同業会の2010年出荷実績は、ドライ用ソープが前年比8.7%減少したが、ランドリー用洗剤は下期の奮闘により前年比3.4%のアップ、この健闘で6年連続の減少を免れ1.4%増の結果を獲得した。しかし同会では「徐々に状況は回復に向かっていると考えられるが、対前年を上回ったに過ぎず、回復トレンドに移行したというには時期尚早」としている。
*掲載号:2011年3月15日号/No.1598
燃料の優先供給を政府へ要望
業界にも甚大な被害をもたらした東日本大震災の被災者と被災地域のクリーニング事業者等の支援策を検討するため、業界及び関連業界の組合・団体で組織するクリーンライフ協会(加盟14団体・6社、会長=青山亨全ク連会長)は3月25日、緊急理事会を開催、当面の支援策として、@被災地業界への燃料の優先・安定供給や特別融資などを政府等へ要望、A義援金募集、B預かり品損害の賠償免除ポスターの配布、Cホームページによる被災地域への情報提供、などを決めた。
*掲載号:2011年3月25日号/No.1599
動き出した2011繁忙期/本紙アンケート
業界にようやく春が訪れている。速報として西日本中心の商況をまとめたが、首都圏・関東も温度上昇とともに動き出している。各地とも3月はかなりの不振だったから4月で挽回を急ぐ。品物は高級品から低価格ブランドと様々だが、やはりダウン製品が中心。予想を裏切ってロングランを期待したい。
*掲載号:2011年4月25日号/No.1602
機材商、マーケットの健全維持訴える
洗剤ほか資材関連物資の品不足、滞りや停滞が生まれ、復興の妨げになる事態が起きつつある。生産設備、石化関連コンビナートの被災で供給体制が細り、不安が広がったことによるが、市場の混乱を懸念する機材商団体が、4月27日「混乱は情報の誤解や錯綜から生じている。きちんとした〈情報の共有化〉を図って市場の窮状を理解しあい、互いに節度ある対応をすることでこの難局を乗り越えよう」と訴えた。
*掲載号:2011年5月5日号/No.1603
きょくとう、2年連続減収も増益確保
きょくとうの2011年2月期決算は、売上高が前期比5.0%減の68億4100万で2年連続の減収となったが、経常利益は同20.5%増の5億300万円として、2年ぶりに増益を確保した。不採算店70店舗の閉鎖、工場稼働の効率化に加え、勤務シフトの効率化による人件費削減など、体質改善を図った。
*掲載号:2011年5月5日号/No.1603
南相馬を〈絆〉の旗でいっぱいに
5月10日、やっと本店ほか3店の再開にこぎつけ、店のシャッターを上げようとしたら並んでいたお客さんの足が見えた。「良かった良かった、これを洗って」と待っていてくれた。「よおーし、頑張るって心の底から思った」と語る竃k洋舎クリーニングの高橋美加子社長。福島第一原発から20〜30q圏。原発事故でそれまでの生活が一瞬で破壊された。その状況は本紙4月15日号同社長の緊急投稿《知ってください!》の通りだが、その厳しい糾弾、情報発信は他のマスコミにも伝わって、若者有志らと〈つながろう南相馬〉運動が生まれた。避難先から戻った従業員たちと店の再生に挑む。
*掲載号:2011年6月15日号/No.1616
産機工「ボトムから抜け出せるのでは」
日本産業機械工業会・業務用洗濯機部会が6月21日、2010年度全機連出荷統計を発表。「ドライ機は建基法対応機器が若干動いているが、特定行政庁の動きが鈍く、その推移待ちの影響が出ている。洗濯脱水機や乾燥機は前年を上回り、結局決算は5%増の約369億円。コインランドリーの実績も多少の前年超え。ボトム(底)は2009年であり、今年はそこから抜け出せるのではと期待している」とした。
*掲載号:2011年6月25日号/No.1608
中古機ネット、大船渡で工場復活第1号
再開の意志はあるが手立てが見えず煩悶する業者に中古機ネットワークグループが、《被災地クリーニング事業復興再開支援プロジェクト》を立ち上げ、岩手県大船渡市で〈工場復活第1号〉を実現した。復興支援はいろいろあろうが、業界の全てに意欲に応える直接支援を呼びかけている。
*掲載号:2011年7月5日号/No.1618
補助金活用し被災業者支援の仮設工場
全ク連は、被災組合員の復興支援プロジェクトで国の「生活衛生関係営業対策事業補助金」を活用し、『被災地での仮設工場作り』を進めている。被災業者が集めた品物を自らその工場で処理し、仕上げるクリーニング業者向けコインランドリー的〈レンタル工場〉だが、目下現地で精力的に活動中の金子征実事務局長が、日本クリーニング生産性協議会・経営研究会で「まだ途中経過」としつつ進捗状況を語った。
*掲載号:2011年7月15日号/No.1619
ムダは徹底削減、節電こまめに
クリーニング店と関連業者に、節電や真夏の暑さへの対策を聞いた。クリーニング店では、即日仕上げなど各自の営業事情を勘案しながら、店舗の照明や営業形態を工夫したり、工場では従業員の健康面から大幅な節電がしにくいながらも、できうる範囲で取り組んでいる。中には、「節電はコストダウンにもつながる」とした意見も。暑さ対策は、涼感グッズ利用の声が多い。
*掲載号:2011年7月25日号/No.1611
上半期支出額、過去最悪の13.2%減
2011年上半期(1〜6月)の1世帯当たりクリーニング代支出額は、前年同期比13.2%減と過去最大の減少率を記録し、3849円にとどまった。上半期の総需要額は同じく過去最悪の13.1%減で2057億円と2000億円割れ寸前。このまま推移すると、年間支出額は11.5%減の6931円となり、年間総需要は11.4%減、4000億円をはるかに割り込み、3712億円まで縮小すると予想される。
*掲載号:2011年8月5日号/No.1612
三洋の洗濯機、ハイアールへ譲渡
三洋電機は7月28日、中国・ハイアール社と家庭用・業務用洗濯機事業などを譲渡することで基本合意した。業務用洗濯機を製造・販売している三洋アクアの株式はハイアールグループに譲渡され、SANYOブランドの販売は12月で終了。譲渡対象予定はコイン機、施設向け洗濯機・乾燥機で、ドライ機類は対象外の予定。
*掲載号:2011年8月5日号/No.1612
総需要半減、利用層の開拓が急務
本紙のホームクリーニング総需要予測によると、2011年の年間総需要額は前年から11.2%減の3712億円で、1992年の最高額8170億円の半分以下となる。本紙では、総需要額半減に関する特集を緊急企画。第一弾として、全国のクリーニング企業に意識調査を行い、急ぎ得られた30社分をまとめた。それによると、この需要半減という事態について8割が「実感している」と回答。その根拠として「入荷点数の減少」「来店客数の減少」を挙げた。業界としての対策については、「クリーニング利用者層の開拓」が一番に挙がった。
*掲載号:2011年8月25日号/No.1614
群馬県、ただし書き許可申請料無料に
建築基準法の用途規制問題で、群馬県は県内の該当クリーニング事業者全てを対象に、「48条ただし書き許可」の申請手数料を無料とすることを決めた。今年10月1日から2013年3月31日までの申請が対象。許可申請手数料は通常18万円かかる。申請に伴い必要となる実態調査や各種図面作成の費用も、通常20万円以上かかるとされるが、これを一律6万円とし、年収(売上高)2千万円未満の事業所は、全額国の補助をあて、事業者の負担はゼロとする。
*掲載号:2011年8月25日号/No.1614
パーク土壌汚染を7年かけ除去
業界は目下眼前の建基法違反問題の対処に追われているが、忘れてならないのは“過去の負の遺産”土壌汚染問題。資産価値や譲渡問題などが絡むだけに業界でも対処事例がなかなか表に出ない案件だ。そうした中、加古川を中心に神戸、明石で約80店舗、年間200万点の衣料を扱う潟激bクの大村秀己会長が、パークで汚れた工場敷地の土壌浄化に取り組み、7年間かけて除去に成功した事例を公表した。
*掲載号:2011年10月5日号/No.1618
テックスケア北京、目を見張る活況
11月17日〜19日、北京で国際展示会テックスケア・アジアが開催された。今回取材提携した毛利春雄潟Iフィス毛利代表は「欧米からの出展は、EUの混乱、アメリカの不調と経済の混迷が伝わるにもかかわらず盛況。出展数も前回とほぼ同じ規模となって、オフィシャル発表で13カ国135社(共同出展は省く)の出展となった。日本の総合展では見られなくなった大型のリネン機、コイン機が並び、展示会場も3館を使用、各館ともクリーニング業者、バイヤー、関係者がつめかけ、最近の日本では考えられない活況を呈していた」と伝える。
*掲載号:2011年11月25日号/No.1623
大阪展、入場登録数3363人
12/15 CLV21大阪展示会が12月2〜4日に開催された。産機工、機材商協議会が主催者から外れ、全ク連単独開催となって、規模縮小や来場者減が懸念され、また東日本大震災の影響から準備が大幅に遅れるなど、一時は開催自体を危ぶむ声も出たが、55社・団体が出展、221小間での開催となった。大会は東日本大震災復興支援、建基法対策ゾーンを柱に機械・資材展示や提案、セミナーを催し、入場受付登録数は初日1076人、2日目1058人、最終日1229人、3日間合計で3363人だった。
*掲載号:2011年12月15日号/No.1625